トキワ荘の青春

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映画になった漫画家たちの青春
昭和30年代、手塚治虫、石森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄等、数々の著名な漫画家を生んだ伝説のアパート「トキワ荘」。トキワ荘を舞台に、漫画を通して子供達に夢を与え続けた漫画家達の青春時代を描く。貧しいながらも互いに競い合い夢を追った青春の光と影。
- キャスト
- 本木雅弘
- 鈴木卓爾
- 阿部サダヲ
- さとうこうじ
- 大森嘉之
- 古田新太
- 生瀬勝久
- 翁華栄
- 松梨智子
- 北村想
- 安部聡子
- 土屋良太
- 柳ユーレイ
- きたろう
- ハラカズオ
- 向井潤一
- 広岡由里子
- 内田春菊
- 時任三郎
- 桃井かおり
- 監督
- 市川準
- 脚本
- 市川準、鈴木秀幸、森川幸治
- 撮影
- 小林達比古
- 音楽
- 清水一登
- プロデューサー
- 塚本俊雄、里中哲夫
Comments
佐内写真的本木雅弘?・・もうちょっとつやっぽいかな。本木さんには小転機的な作品かなと思います。
あんなアパートがあった、あんな人々が集っていた、そんな思い出のせつなさがつまった良い映画:佳作だと思います。
ただ、若干、本木さんがこの役には若すぎる気もしました。実年齢というより、見た目の感じですが。今の本木さんが演じたら、もっとぴったり来たかも知れないなあ、と思ったりもします。
狂気を演ずる本木さんも好きですが・・この映画のような「静」の本木さんも大好きです。誰よりも優しくて、控えめでね。自分にだけに正直で・・。「愛すべき」人物でしたよ。
最後の方で、仲間と相撲をとるシーンでは・・泣けて泣けて、しょーがなかった。うーん。。あれは演技なの?!
本木さんの特徴だと思うんですが・・「本木雅弘」という人は、いつもスクリーンの向こう側にいて、それでいて、見ている者の心にいとも簡単に入ってくる。一体、それは、なぜなんだろう・・
トキワ荘の青春は、何回も観たくなる映画です。公開当初は自分の年齢のせいもあってか、普通の良い映画という印象しか持たなかったのですが、今改めて見てみると、あの時代の空気が見事に描かれていて、「映画を観ているという感覚」があまりなく、あの時代に「連れていかれた」ような感覚に陥ります。
とにかく全編「せつなさが気持ちいい」映画だと思います。ラストシーンはちょっと胸が詰まりますね。
キャストには現在演技派として活躍する面々が顔を揃えていて、役者の青春時代を映した「トキワ荘」といった見方もできるかと思います。
先日、赤塚不二夫さん逝去関係の番組で、寺田ヒロオさんの後半生が語られていましたが、かなり壮絶な後半生だったようですね。藤子Aは「あれは緩慢な自殺だ」といっていた。アル中になっていたと言っていた人もいた。
wikiによると最期はこんな感じ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BA%E7%94%B0%E3%83%92%E3%83%AD...
>晩年は一人離れに住み、母屋に住む家族とも顔を合わせることはなかった。
>妻が食事を日に三度届ける生活を続けていたが、朝食が残っているのを見て、
>部屋の中に入り、亡くなっているのを発見したという。
映画のエンディングのシーン、まるでカミカゼ特攻隊で亡くなった方々の生前の青春時代の写真を見せられたような哀切感があり、なぜこの話でこうまでなるかなあ?
という疑問をずっと引きずっていたのですが、なるほどそういうことだったのか、と自分なりに納得した気分でした。
しかし、いくら「古いアパートを撮りたかった」のが動機とはいえ、寺田ヒロオを主人公にすえた時点で、寺田のその後をにおわせることもせず、「ある朝ぼくは部屋を出た」で終わらせたのは、凄いことだなあとあらためて感心しました。実に、市川準ですね。
で、その都度、ビデオを引っ張り出して見てしまう。
これで終わらず、また5-10年後には「あ、そういうことか」とビデオを見ているような気がします。
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