シコふんじゃった。

©大映・キャビン
映画賞総ナメ
卒業が危ぶまれている大学4年生の秋平(本木雅弘)は、卒論指導教授(柄本明)から単位習得の変わりに彼が顧問を勤める弱小相撲部の試合に出場することに。しかし、そこで惨敗し、OBに罵倒された彼は勝利宣言をしてしまい、そのまま相撲部に残ることになってしまう・・・。92年度の映画賞を総ナメにした作品。
- キャスト
- 本木雅弘
- 清水美砂
- 柄本明
- 竹中直人
- 田口浩正
- 松田勝
- ロバート・ホフマン
- 梅本律子
- 宝井誠明
- 宮坂ひろし
- 村上冬樹
- 桜むつ子
- 六平直政
- 片岡五郎
- 監督・脚本
- 周防正行
- 撮影
- 栢野直樹
- 音楽
- 周防義和
- 製作
- 平明暘、山本洋
- プロデューサー
- 桝井省志
- 歌
- おおたか静流
Comments
Sumo Do, Sumo Don't というタイトルで海外配給もされた、本木さんの作品の中でも大好きな作品です。この間久しぶりに見直しましたが、10年以上たっているのに、面白さはちっとも失せてませんね。古びない名作。「ファンシイダンス」、「Shall We ダンス?」も含めてようやくDVDが出るそうで楽しみ。いつか周防監督が新作を撮られるとき、ぜひ、また本木さんに出演してもらいたい。
やはり『シコふんじゃった』の本木雅弘さんは見事でありました。素直な演技と俳優【本木雅弘の地]が表に出たリアリティーのある作品でした。『Shall We Dance』の新進気鋭の【周防正行監督】のモダンな映像感覚とも相まって、素晴らしい映画でした。(これをプロデュースしたのは私の大映時代の親友です}
さて、映画はフランス人【ルイ・ルミエール兄弟】が趣味で作ったと云う『散水夫』や『月世界旅行』が始まりと世界映画史に書かれています。つまり映画(映像}は自然科学の粋を集めて実現したジャンルであり。もっとも現実感あふれた(リアリティそのもの)視覚的・残像現象を活用した科学の産物です。
そして、ソ連の【S・M・エイゼンシュティン】が日本の[浮世絵]や[歌舞伎]から学び、いわゆる《モンタージュ論》を完成して、”第八番目に誕生した芸術”と称されました。
つまり、エイゼンシュティン監督の大作『戦艦ポチョムキン』(1925)が現在の映画の基である。(もちろんこの年からトーキー映画が誕生しました)
[絵画][彫刻][音楽][ポエム(詩)][小説][演劇]など七つの芸術ジャンルから、はるかに遅れて誕生した芸術と云うことになる。(映画は無声映画時代を含めて高々100年になったばかりの新しいジャンルの芸術です。)
たまたま映画俳優【本木雅弘】さんの映画は二本(『おくりびと』と)しか観ていません。しかしこの二本の映画は日本の映画史上特筆すべき傑作です。
≪映像論(フォトジェニー)≫≪映像スキル≫を述べることは残念ながら相応しくありません。場を替えて書いてみたいと考えています。
今日、たまたま、BSで見ました。狙って見なかったので途中からになってしまいましたが、展開はほぼ頭に入っているにもかかわらず、久々に見て、新鮮でした。すでに20年前の作品になるんですね。。「日本人」vs「ガイジン」の戯画化も、20年経った今も変わらず、で全然古びて無くて、出演者が皆若くて(今見ると)皆さん素敵(笑)。コメディーやらせたら周防さんはNO1かなあ。うんちくが三谷幸喜氏みたいにオタクに傾かないのがGOOD。TV屋さんと映画屋さんのタッチの違いですかね。
本木氏の「青春ナイスガイ」の男ぶりもさることながら、柄本教授の存在が映画全体の基調になっていて、全員、棒読み気味の台詞回しが、効果的な挿入歌とマッチして、音楽のようで心地よい。残念ながら、個人的にはこの映画の竹中氏はあまり好きでは無い(GONINの演技は大好き)のですが、他が全員ナチュラル系だから、ああいうキャッチーな演技の人が一人くらいいないと、地味映画になってしまうかな。興行的にというか、総合的に見ると、成功なんでしょうし、そういう意味では・・あくまで自分の個人ウケ的にですが・・・竹中氏がワリを食ってるような気もします(笑)。
本木演技に関しては、最近の全部きちんと作っています風のものより、こういう要所要所だけ、みたいな少し抜いた演技のほうが、好みではあります。もちろん、今年の伊右衛門さんの完璧演技、みたいなのも感心しますが、CMではBESTと思うけど、映画やTVだとちょっと息苦しい気がしなくも無いので、こういうちょっと抜いた本木演技もまた見たいものだなあ、と思ったりしてます。
あなたの感想、レヴュー等をお待ちしています