ラストソング

東京国際映画祭主演男優賞作品
スターを夢見て博多から東京へ旅立った2人のミュージシャンと1人の女性の4年間の青春の軌跡を描くドラマ。「優駿 ORACION」(88)に続く杉田成道監督の2作目の映画作品で、脚本は「課長・島耕作」の野沢尚、撮影は「極東黒社会」の加藤雄大が担当。主演の本木雅弘は第6回東京国際映画祭主演男優賞を受賞。映画の狙いに沿って、劇中全てオリジナル曲が使われている。(キネマ旬報より)
- キャスト
- 本木雅弘
- 吉岡秀隆
- 長岡尚彦
- 奥脇浩一郎
- 藤田晴彦
- 倍賞美津子
- 石坂浩二
- 安田成美
- 監督
- 杉田成道
- 脚本
- 野沢尚
- 撮影
- 加藤雄大
- 音楽
- ニッキー・ホプキンス、長岡和弘
- 製作
- 村上光一、堀内實三
- プロデューサー
- 瀬田一彦、池田知樹
Comments
本木さんの役者としての力量を世の中に知らしめた作品だと思います。スターからマネージャーに格落ちして、それでもギラギラと輝いて華がある。他の共演者の追随を許さないというか、「リプリー」のジュード・ロウをみたとき、この映画の本木さんを思い出しました。
本木映画の中でどれか一つ選べと言われたら、このラストソングを選びます。作品自体をどうのこうの以前に、その存在感の凄さに圧倒されます。この作品で東京国際映画祭主演男優賞を受賞。その時イタリアのゼッフィレリー監督が惚れ込んでしまい、強烈にプッシュしたということを聞きましたが、それも納得できる圧倒的存在感。
映画やドラマを見る時は、意識のどこかで演じている役者本人の事を考えると思うのですが、この作品はそれがありませんでした。八住修吉という強烈な存在が迫ってくるだけ。この映画のサントラも聴きましたが、本木雅弘が歌う歌とはまるで別物で、映画の中に存在する八住という男の叫ぶ歌でした。役者魂を感じます。ベクトルが振り切ったモノをやる時の彼は、贔屓目なしに文句なし。
この本木雅弘最高!
なのですが、作品全体を見たときに、つっこみどころが多すぎて、自分にとって残念な作品・・というのを通り越して、悔しい作品です。愛憎相半ばする、複雑な気持ちで見る作品です。もっと良い映画になったろうに・・とほんとに残念無念。
本木氏演じる “修ちゃん” は、さすが賞をとるだけあって、凄まじく瞳に焼き付く存在でした。カッコイイとかステキとかそういう域じゃなくてですね、なんていうか、スゴイんですよね…。 (頭の悪い感想で申し訳ありません!泣)
亡くなった仲間へと空虚に話しかけながら線路の上を歩く彼のシーンが、見終わった後もずっと脳裏に焼き付いて離れませんでした。見えないけれど確かにある男の友情が、観れたシーンでした。ただ、終わり方が尻切れトンボな感じがしました。非常に残念ッ。
あちこち探して、やっと観る事ができました。仲間と海に入っり浜辺の歌を歌うシーンが綺麗で大好き!です。音楽を諦める事の辛さ。本木さんの表情を見てとても悲しかった。これから、もっともっと歌ってください。あの後、修ちゃんはどうなったんでしょうか?教えてください。
10年振りに見直した感想です。
本木さんの現在の演技力の芯が感じ取れる作品としては、
杉田監督の演出力との相乗効果で、すばらしい作品だと再認識しました。
日本映画の数ある中でも、スクリーンに華のある作品は少ないのですが、
この作品ではそれが感じとれます。
最後の別れのシーンでの紙ひこーきを飛ばすシーンはすばらしいです。
吉岡をスカウトして、それまでの仲間を切り捨てるシーン。
そして出発のときに、その仲間に見せるモックンの熱い拳。
今でも記憶に強く残っています。
これまでは日本映画<ハリウッド映画でしたが、
日本映画が好きになるきっかけをくれた映画です。
杉田監督はやはり美しい絵を撮るのが上手い監督ですね。また、エンディングと修ちゃんとケンボーの博多駅での別れのシーンは何度みても涙が出ます。ロウソクの火など火をクローズアップした装飾シーンが多くありますが、これは国際映画祭コンペに出す作品として海外の映画ファンの目を意識したのでしょう。ゴタールのような演出効果ですね。いきなりなので日本の映画ファンは「残念なシーン」と表現される方もいらっしゃる知れませんが、とても美しいシーンだと思います。
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