ドラマ 「涙たたえて微笑せよ」 | 本木雅弘 JellyfishCafe.com
ベストセラー小説「地上」の作者だった島田清次郎が思想弾圧の結果、投獄されたという仮説でドラマ化。
文学者がスーパー・スターに成り得た時代、まるで60-70年代のロック・スターのような成功と転落・破滅の人生を完結させた青年の話。虚構とも真実ともつかない、精一杯背伸びして立ち位置を見失った俗物なのか、狂人なのか、その間を行き来する本木さんの演技が素晴らしいし、美しい。特に、本木雅弘のマゾ美全開の後半は、鳥肌が立ちました。
文学者がアイドル人気化したはしりの時代なのでしょうか。私が物心ついてしばらくしてからは、文学は死んだとかいわれるようになっていますから、文学が元気だった当時の熱狂ぶり、清水美砂演じる妻たちに代表されるいわゆる「文学少女」の存在など、興味深いものがありました。恐らく、現代のアイドルの追っかけと実質は大差無いのでしょうが、もっと精神的なものを求めるだけに濃密だし、当時は現代のようなある程度醒めた大衆社会というのでも無いでしょうから、文学ファンは男も女ももっと一途で、それを受け止めるアイドル文学者の受ける圧力は、相当なものがあったろうなと思います。 アイドルの疲労感のようなものは、本木さん自身もシンクロする部分があって演じていたのでは無いでしょうか。本木さんの演技に引きずられてか、戦前・左翼とかいう要素より、大衆vs破滅するアイドル(シンボル)という感じで見させられました。 PS.1シーンだけ登場する椎名詰平氏が秀逸です。戦前の血なまぐささ、血の匂いを感じます。こちらはサド美か(笑)。椎名氏の演技中で、私的にはこの作品のこの1シーンがNO1と思っています。
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文学者がスーパー・スターに成り得た時代、まるで60-70年代のロック・スターのような成功と転落・破滅の人生を完結させた青年の話。虚構とも真実ともつかない、精一杯背伸びして立ち位置を見失った俗物なのか、狂人なのか、その間を行き来する本木さんの演技が素晴らしいし、美しい。特に、本木雅弘のマゾ美全開の後半は、鳥肌が立ちました。
文学者がアイドル人気化したはしりの時代なのでしょうか。私が物心ついてしばらくしてからは、文学は死んだとかいわれるようになっていますから、文学が元気だった当時の熱狂ぶり、清水美砂演じる妻たちに代表されるいわゆる「文学少女」の存在など、興味深いものがありました。恐らく、現代のアイドルの追っかけと実質は大差無いのでしょうが、もっと精神的なものを求めるだけに濃密だし、当時は現代のようなある程度醒めた大衆社会というのでも無いでしょうから、文学ファンは男も女ももっと一途で、それを受け止めるアイドル文学者の受ける圧力は、相当なものがあったろうなと思います。
アイドルの疲労感のようなものは、本木さん自身もシンクロする部分があって演じていたのでは無いでしょうか。本木さんの演技に引きずられてか、戦前・左翼とかいう要素より、大衆vs破滅するアイドル(シンボル)という感じで見させられました。
PS.1シーンだけ登場する椎名詰平氏が秀逸です。戦前の血なまぐささ、血の匂いを感じます。こちらはサド美か(笑)。椎名氏の演技中で、私的にはこの作品のこの1シーンがNO1と思っています。
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